問題作

私は問題作なのだろうか。
「そうでもないよ」と言いたいが、残念ながら、社会に生きるにおいては私が問題作扱いなのは否定できない。

小さい頃、自分は優等生だった。勉強もできるし、ピアノも上手に弾ける。それがどうしたものか、努力と集団行動が苦手なせいで、みるみる成績が落ちていき、今じゃ万年底辺。中学校の感覚が高校でも通用するはずないのだから、これは自業自得である。

 

言いたいことが、自分の中で思っていることがうまく伝わらないから、そもそも伝えることを諦めてしまう。何か言ってしまうとすぐ怒られてしまうので、本音が言えない。我慢するしかない。

 

自分は友達が欲しいもっと他の人間と交流を深めたいくせしてやけに臆病になったり予防線を張ってめんどくさいことを回避しようとしたりなんやかんやである。そういうとこやぞ…

 

心のなかでは威張ってるつもりでも、面と向かってストレートに食らってしまうとやっぱり効いちゃって、悲しくて涙が溢れる。リアルじゃ普通に弱いのさ…

 

何度も何度も怒られるも、そもそも怒られる理由がわからないので、心の中で思っているのは「みんな怒んないで」。泣いて泣いて、泣きまくって、最後には自分がなぜ泣いていたのか分からない。もうとっくに私のライフはゼロだよ…


怒られたあとはお茶飲んでも何しても落ち着かないし、握手しようぜ!と友好的に近づいたつもりでも、「調子のんな」と跳ね返される。そんなはず無いのに…

 

でも、そんなゴミカスのような自分にも、手を差し伸べてくれる人がいる。

「大丈夫だよ。これからなんとかなるさ。」

嘘だったとしても、嬉しくなってしまう。そんなこと言ってくれる人なんてめったにいないからだ。そして、まんまと罠にはめられる。この繰り返しでずっとずっと生きてきた。

 

この世なんて生まれてきただけでクソゲーだなんて言う人もいるけど、案外そうでもない気がする。意外とずっと暮らしてみれば慣れてくるし、過去の記憶なんてほとんど忘れてしまう。その環境に体がなじんでしまうわけだ。だから、感覚的にはクソではない。少なくとも私は。明日がいい日になるように夢見て布団で眠る。ふんわりした頭でのうのうと生きている。それがよくないのかも。

 

曲を聴いていて思ったのは、きっと、Adoさんも多少の違いはあれど私とおんなじような人間で、おんなじような人生をこれまで歩んできたのではないだろうかということだ。私がAdoさんを快く思わない原因は、もしかしたら同族嫌悪なのかもしれない。でも、違う人間だとしても、癪に障るなぁ…